刺繍の杜 オランダ生活記

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部屋探し

息子の大学が決まりほっとしたと同時に部屋探しが始まりました。

オランダでは18歳になると多くの子供達が独立します。

17歳になるまでは親の口座に振り込まれていた児童手当は18歳のお誕生日とともに子供の口座に変更になります。息子いわく「親にとられてしまわないようにだよ。」実際彼の友達の中にはその手当てとアルバイトの収入で、テニスのレッスン料から洋服、靴など全てをまかなっている子もいます。

大学までは電車で1時間半くらいの通学時間ですが、日本では当然のこの距離もこの小さいオランダで、しかも電車の遅れやキャンセルが日常茶飯事の国ではとうてい通うのは難しい距離です。早速同じ大学に進学する友達と部屋探しを始めました。

まず大学に行き「学生アパート」の空きはないかと尋ねることから始めました。
「海外からの留学生だけにしか用意されていないのよ。不動産屋さんの電話番号をあげるから自分で探して頂戴ね。新聞にも載ってるからそれも見て御覧なさい。」と言うすげない答えに彼らは不動産屋さんめぐりを始めました。

オランダの不動産屋さんはまず始めに「登録料」を支払わなくてはいけません。試験が始まる前の4月に11ヶ月待ちという長いリストに登録してはあるのですがその不動産屋さんからはただ「待ちなさい」と言う答えしか返ってきません。今自分がどの位置にいるのか、後どれくらい待てば入ることができるのかと言う情報は全く教えてくれないのです。しかたなく他の不動産屋さんに行きました。登録料3,500円位を支払わないと全く情報はくれません。登録を済ませその日の内に2軒見せてもらいました。しかし台所とトイレを見てこれは絶対に住めないと見に行った全員が拒否。まず第一日目の家探しはここまでで時間切れ。

この不動産屋さんの方式か、オランダの方式か、一つの部屋を最高8人までの人が一緒に見ることができ、その中でその部屋を借りたい人だけが次の日の12時までに電話をします。すると希望者の中から家主が一人を選ぶと言う方法で決められます。部屋代を高くするから貸して・・・なんていう事はないみたい。うまく出来ていると言えばそうなんだけれど、家主は何を見て判断するんだろう?登録票に書かれているのは、住所、氏名、年齢、電話番号、収入だけ。しかも大学に入学してもいないわが息子、収入は児童手当なんだそうです。次の日不動産さんから電話があり、また2軒予約を取ることが出来ました。それに期待して、またロッテルダムまでの長旅に出かけます。

2001

2001@Miharu Shinohara