ワールドカップが始まってオランダのテレビでもワールドカップが放映されています。サッカーを観ていると、その合間のコマーシャルがとてもおもしろいので、私はサッカーよりコマーシャルを楽しみにしています。
もともとオランダのコマーシャルはとてもおもしろいものが多いのですが、今は特にサッカー選手が出演するコマーシャルが多く、それがまた楽しいものが多いのです。
ナイキのコマーシャルはロッテルダム港に停泊している実際の船の中で日本の中田やオランダのダービッツなどがサッカーをしているのですが、ボールが強すぎて船に穴があき水が入ってきてしまうというもの、最後は皆でこちらに向かって泳いでくるのです。
この船の中に作られたサッカーフィールドで実際に試合が行われたり、色々なイベントが行われたようです。
もっと楽しいのはコカコーラのコマーシャル。
オランダのサッカー選手、ニステロイが寂しそうに芝刈りをしています。肩を落としてとぼとぼ歩いているという感じです。ワールドカップに関係ないので暇があるという事なのでしょう。そばで見ている子供に手渡されたコーラを飲むのですが、そのあと空き缶を地面に置き思い切り蹴飛ばすのです。
そうしてでて来るテロップは
「ポルトガル2004、ユーロカップで会いましょう!」
世の中はワールドカップ一色の中で、出場できなかったオランダチームの悔しさ、というより笑ってしまうコマーシャルです。
そうして私が一番お気に入りの、見るたびに大笑いしてしまうコマーシャルはクノールのコマーシャルです。
やはりオランダの有名選手、デ・ブール選手が料理をしています。
さまざまな製品の中から「テリヤキ」という箱を取り出し料理を始めます。その箱の中から一枚の紙を取り出し、
「テリヤキはどこの国のもの?」
と奥さんに聞くと
「日本でしょ?」
それは日本で行われているワールドカップの招待券があたるという事なのです。
「いらないや」
寂しそうにごみ箱にその紙を捨てるのです。
料理の後、他の箱を点検して色々な国の料理の箱の中からその応募券を取り出しています。
「全部日本です!」
どこからか声が聞こえます。残念がるデ・ブール選手。
日本以外のどこかへ行きたいのでしょうか。
何度も観ているのに、何度観ても大笑いしてしまう楽しいコマーシャルです。
オランダはサッカーがとても盛んで、国中の人が楽しみにしていたワールドカップだったのですが、残念な事に予選敗退してしまいました。でもだからといって、ナショナルチームの選手たちがこんなコマーシャルに出るのはやっぱりオランダ人の陽気さ、気取りの無さ…の現れでしょうか。
まだまだ宝くじのコマーシャルや、セキュリティシステムのコマーシャル、楽しいコマーシャルがたくさんあります。
オランダ人はもしかしたら番組を作るよりコマーシャルを作る事に重点をおいているのでしょうか。
©2002
Miharu Shinohara