刺繍の杜 オランダ生活記

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日本ではお正月飾りの時期ですが、ここオランダは1月7日までがクリスマスとされていて、この日にクリスマスツリーを片付けるのです。オランダの多くの家庭では生のもみの木を使う事が多いのでその木を収集するためにトラックがやってきます。
その前日、1月6日の夕方になると、子供たちが仮装してやってくるので、私は今年も心待ちにしていたのですが、どうやらこのあたりにはその姿が見えません。
町が大きすぎるのかしらと、少しがっかりです。
以前住んでいた村では,1月6日が近づくとスーパーのお菓子売り場でお菓子を選んでいる人たちが、たくさんいました。
初めてのときは一体どんなお菓子をあげれば良いのかわからなくて、息子の友達に聞いたり、近所の人に聞いたり。
答えはもちろん 「何でも良いのよ!」
スーパーでお菓子を選んでいる人のそばによって行って、何を買うのか観察します。かさが高くて、数が多くて・・・とりあえずいろいろ買いこんで来ました。そうして小さな袋に小分けしてリボンをつけて
かわいいプレゼントが出来上がり、満足。
そこへ息子の友達がやってきて、「そんなにきれいにしたらみんな喜ぶよ。うちの弟にもここへ来るように言おうかな」
彼の弟は13歳、でも身長は見上げるような高さです。そんな大きな子もやってくるのかしらと楽しみにしていました。
夕方になると、ちょうちんのようなものをさげた子供たちがオリエントキングの仮装をしてやってきます。
そうして一軒一軒ベルを鳴らし、ドアの前で「We Three kings of Orient  Are」と言う歌を歌ってくれるのです。
そこで本当はオランダ語でほめてあげてお菓子をあげるのが普通のようですが、もちろん私はオランダ語はできません。
それでも何組もの子達がやってきてくれて、恥ずかしそうに歌を歌ってくれました。もちろん見上げるような大きな子達のグループも頭に冠を載せて、ケープをかけて、王様の仮装をしてやってきて歌を歌ってくれるのですから、嬉しくなってしまいます。
冬の夕方ですからあっという間に暗くなり、ちょうちんをさげた子供たちが庭の向こう側に、道路に、浮き上がり、歌声だけが聞こえてクリスマスの最後を飾る行事なのかしらと思ったのでした。
今年は誰も来てくれそうもないので、仕方なくブラバント放送を見ることにしました。ブレダの少し北にあるオーストハウトと言うところの実況です。子供たちが仮装して街を歩いています。もらうものはチョコレートやお菓子、りんごやバナナ、そうして現金と言うのもありました。その中に仮装したたくさんの大人の集団がいました。彼らは現金を集めているようです。その後、修道院を訪ねそこでまた歌を歌って盛り上がっています。集めたお金はどこかに寄付するのでしょうか。
こんな時、やっぱりオランダ語が理解できないのは寂しい事です。

8/1/2002

©2002 Miharu Shinohara