刺繍の杜 オランダ生活記

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クリスマスツリーの点灯式

ゴーダ(Gouda)、オランダでは「ハウダ」と発音するのだそうですが、でクリスマスツリーの点灯式があると言うのでこの数日の寒さにもめげず行ってきました。

夕方6時頃、いくつかのお店は開いてはいるもののほとんどがお店を閉め、マルクトの周辺のお店と、運河沿いの道に屋台が並んでいるくらい。まず始めはもちろんグリューワイン。
これで体を温め、これからの長期戦に備えます。ワインを飲みながらブラブラと運河沿いの屋台を眺め市庁舎に向かいます。1軒だけあいていたインテリアショップに人があふれています。考えることはみな同じ、もちろん私たちも暖かい店内にはいりました。店内の売り物のソファに何人ものお年寄りが腰掛けています。すてきな小物の値段を眺め、高い安いと賑やかです。小さな子供たちが「外に行っても良い?」
「まだ早いわよ」と答えるお母さん。
このお店がこんなに混むのは、きっとこの日だけでしょう。
オランダ名物焼きたての「シトロープワッフル」を食べながら市庁舎前に戻りました。途中子供たちが数人づつ楽器を演奏しています。音楽学校の生徒たちだそうです。
パトカーの先導と共に観光バスが2台、マルクトの市庁舎前にやってきました。車椅子のお年寄りたちがバスの中から見物です。
クリスマスソングが街中に流れ、午後7時すぎになるとマルクトに面した家の窓のあかりがいっせいに消え、ろうそくの灯だけになりました。市庁舎のあかりも消え、窓にろうそくが灯されます。市長の挨拶に続き、いよいよ点灯式。これは電気のスイッチを入れれば良いだけだから、なんだかあっけなく灯がつきました。

点灯の瞬間はうっすらと、だんだん光が強くなりまぶしいくらいに光り輝いています。この灯を見るために多くの人たちが寒い中を待っていたのでしょう。実際歩くのも難しいくらい大勢の人がクリスマスツリーを取り囲んでいます。その後は皆でクリスマスソングを歌い、本当にみんな大きな声で歌うのですが、寒い中を帰ろうともしません。
ここで私たちは寒さに耐えられなくなりマルクトに面したお店に入りました。お店の中にはコーヒーや紅茶を買いに来た人たちもいましたが、その人たちはカップをもってまた外に出て行ってしまいます。オランダ人は寒くないのでしょうか?
このGoudaの点灯式は今回で46回目、街のあちこちには「ろうそくの夕べ」と書いてありました。
どの家の窓辺もろうそくの灯がゆらゆらとゆれて、そうして一番輝いているのがクリスマスツリーです。クリスマスの1週間前。もう皆の心はクリスマスです。

2001/12/18

2001@Miharu Shinohara