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街には大きなクリスマスツリーが飾られクリスマスソングが流れだします。 玄関のドアにリースを飾り、窓にたくさんの豆電球を飾り付けます。オランダでは暗くなってもカーテンを閉めない家が多く、居間に灯したたくさんのローソクの光が外から眺められとてもきれいです。 前庭の木にたくさんの豆電球を巻きつけどこの通りも本当に美しい時期です。薄暗い街灯しかない街に豆電球の光だけが浮び上がり、華やかさはないけれど静かな静かな美しさです。 15日を過ぎると、車の上にもみの木を縛り付けた車やトランクから大きなもみの木がはみ出した車が街を行き交います。少し郊外に出ると大きなもみの木やリースを山積みにしている農家があります。街はずれのガーデンショップも大繁盛です。あまり早く買っては1月6日まで持たないのでクリスマスの1週間ほど前の週末になるとほとんどの家族がもみの木を買いに出かけるのです。 どこの家のツリーもとてもセンス良く飾られています。青いガラスのボールと青いモール、白いボールと白いモール、とにかく一色で統一します。シンタクラースが子供のためならば、クリスマスは大人のための物かしらと思うくらいシックに飾り付けられています。 「クリスマスは何を食べるの?」と言う質問にやはり「決まりはないのよ」と言う答えが返ってきました。色々な人に尋ねてみると、どうも「鹿」や「ウサギ」などと言うところのようです。やはり密かに決まりはある様です。シンタクラースで盛り上がったレネカの家ではクリスマスはスープだけだそうです。暖炉の前で静かに家族だけで語り明かすのだそうです。 もちろん「日本に帰らないの?なんてかわいそう、私の家で過ごしたかったらいらっしゃいね。」と言う優しい言葉は忘れずにかけてくれました。 去年のクリスマス、わたし達は息子と3人で村一番のレストランのクリスマスディナーを予約しました。7時に来る様にと言われ、いつもより少しおしゃれして出かけました。このクリスマスメニューと言うのは全員が同じメニューでいっせいに食べるのだそうです。7時に集合した人達全員がきちんとドレスアップしているのに驚きました。この日だけは家でのディナーもネクタイをして食べるそうです。 オランダ人は仕事ではネクタイをしないけれど、夕食の時にネクタイをするということも多いようです。 全員が席につきクリスマスディナーのスタートです。大きな声で一つ一つメニューの説明、私達には特別に英語で説明してくれるのですが、こんな時にはオランダ語が出来ないことがとても悲しく申し訳なくなります。一斉にスターターが運ばれようやくスタートです。全員が足並みをそろえて食べ、次の料理が出てくるまでの長い時間おしゃべりに花が咲きます。夜中の12時になりようやく最後のデザートが終わったと思ったらレストランからの特別サービス、もう一つデザートが全員に配られました。食事が始まって5時間半後、私たち3人はははちきれそうなおなかを抱え、半分居眠りながらようやくクリスマスディナーから開放されたのでした。 さて今年のクリスマスは、もちろんアンと一緒にベルギーで仕入れたターキーを焼く予定です。 2001/12 |
2001@Miharu Shinohara |