刺繍の杜 オランダ生活記

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自転車

オランダに来る事になって、一番最初に頭に浮かんだのは自転車の事でした。オランダといえば、風車、チューリップ、そして自転車…くらいしか思い浮かばなかったのです。
坂の多い町横浜で生まれ育ち、家は山の上で家の前から階段が続いていると言う環境で、自転車と言うものに乗ったことがなかったのです。
せっかく自転車王国に行くのだから自転車に乗れるようになって帰ってこようと思い立ち、子供たちがいつもお世話になっていた自転車やさん「リンリン」に出かけていきました。
「始めて乗るの?それならこれが一番だよ」
薦めてくれたのは24インチの小さな中古自転車です。
「もっと大きな、皆と同じ自転車が良いんだけど」
という私の意見は全く無視されてしまいました。
さてこの自転車、一度もまたぐ事もなくオランダにやってきました。オランダでは、大人も子供も、そしてお年寄りも皆自転車です。
小さな子は、小さな自転車の後ろにオレンジ色の旗をつけ、目立つようにして乗っていますし、母親の自転車の前と後ろにはもっと小さな子供たちがのせられています。
自転車道路以外は走らないようにしながら練習開始しました。
道行く人の好奇の目…大人になって自転車に乗れないなんてオランダ人には信じがたい事のようです。
「自転車の後ろにもオレンジの旗をつけたら?」
隣のロブに笑われながら、何とか乗ることが出来るようになりサイクリングの開始です。自動車道路のそばのレンガ色の道が自転車道路です。オランダの自転車道路はとても立派で自動車が間違えて入ってしまいそうなくらい広い道路もあります。
「自転車に乗れるようになったの?一緒に買い物に行きましょうよ」
「隣を走ると危ないのよ」
「だったら後ろからついて行ってあげるわよ」
というアレイデスの申し出は丁重にお断りしてのんびり散歩気分で練習です。
隣村や森の中、そしてベルギーの国境までと少しずつ距離を伸ばしながら、小さな自転車でサイクリングを楽しみました。
さて新しい我が家、自転車道路は以前にもましてすばらしく、家のそばからどこまでも続いています。
行く先は…北海!?ナイメーヘンというドイツの国境近くからフックデホランドという海岸沿いの町まで延々と続いているのだそうです。

そうしてもう一つ驚いた事はオールドマース川の下をくぐる自転車道路があるのですが、川の下に入るためにエスカレーターに自転車をのせると言うのです。エレベーターもあるのですが、これは使用不可。

オランダ人を見習って、エスカレーターに乗ったら前のタイヤを横に向け、滑り落ちないように注意しながら何とか下りました。
長いトンネルを抜けて対岸に出るとそこは、同じような風景が広がっているだけでしたが。

自転車をエスカレーターにのせるなんて、そんな事を経験できる人はそう多くはないでしょう。
今やオランダでの一番の楽しみは、「自転車に乗る事」になり、私の自転車は黒い小さな自転車から、人並みサイズの銀色自転車に昇格しました。

©2002 Miharu Shinohara