刺繍の杜 オランダ生活記

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テニス狂いの息子のお付き合いで、親子3人でよくテニスをします。オランダにはたくさんのテニスクラブがあって、本当にたくさんの人がテニスをしています。
以前の小さな村にも立派な私営のテニスクラブと公営のテニスクラブがありました。もちろん公営のテニスクラブは安いのですがいつもいっぱいでなかなか予約を取ることが出来ません。ここでは安い値段でレッスンを受ける事も出来、初心者の主婦なんかはここでしていることが多いみたいです。
息子は高校の硬式テニス部に入部して半年、新入生の一番きついトレーニングだけを経験して、ここオランダにやってきました。とにかくテニスのレッスンを受けようと「ペリカンテニスクラブ」へ入会しました。ここは室内コートが10面もあり、屋外コート12面、国際試合も出来るといううわさのクラブです。17歳以下の子供たちはとても優遇されていて、4月から9月までの夏の間は7千円ほどで会員になることが出来、外のコートはいつでも使いたい放題、雨が降れば室内コートも自由に使える(もちろんあいていれば)というものです。(10月から3月まででも1万8千円位です。)その上2月末までに会費を払えば割引、レッスンを受ける子はレッスン料も割引と、とにかく時間がありさえすれば十分テニスを楽しむ事ができる環境です。
そこで知り合ったニルスは息子と同じ歳、すっかり意気投合したのは良いけれど、彼は地元の高校生、時間はたっぷりあります。息子のほうは通学に往復3時間と言う苦行の上に、宿題、試験となかなか思うように行きません。それでも合間を縫ってクリスマス休み、春休み、学期の中間休みなどに催される子供向けの大会によく出場し、楽しんでいました。
さて、そんな息子が新しい町に越してきて、まずした事はテニスコート探しです。市内すべてのテニスコート、市のはずれですから、隣の市まで探しました。ところがどこもいっぱいだと言うのです。大学入学の試験まであとすこし、レッスンは止めて、とにかくコートを借りて親を相手にするので我慢しようと思っても、なかなかないのです。ところがいろいろ電話をしているうちに、我が家から一番近いテニスコートでは半分は一年間の予約が決まっているけれど、半分はあいていればつかっても良い。料金は徴収に回ってくるのでその人に払えば良いという耳寄りな話。
とにかく行って見ました。なんとがらがらで、どこでも使いたい放題。料金は1時間650円くらいです。ところが待っても待っても、集金に来ません。仕方なく、(これ幸いに)帰ってきました。その後、何度通ってもほとんど集金人はこないのです。

たまに来ても、それまで何時間やっていようが、「今から何時間する?」と聞いて1時間と答えればその時間から1時間後までと書いてくれます。
オランダ人は自分の損得に関係なければ太っ腹なのでしょうか。
そんなわけで毎週末、息子と私たちのテニスタイムが始まりました。1対2で試合をするのですが、ほとんど勝たせてもらえません。練習中は私たちのほうが絶対上手なんだけれど、悔しい事に彼には私たちにない若さがあるのです。

©2002 Miharu Shinohara