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駐車券
オランダでは駐車場に青い線が引いてあるところは、その町の駐車券を提示しなければいけないという決まりがあります。
ブラバントに住んでいた時は、市の中心地は一時間いくらの時間制の駐車場、その他はほとんど無料駐車場だったので、この駐車券にお目にかかったことはありませんでした。
ところが、今回は市の中心地では全ての駐車場に青い線が引いてあります。
私たちはまずこの駐車券を手に入れなければなりません。
オランダでは郵便局がさまざまな機能を持っているので(例えば自動車の名義変更なども郵便局でします。)まず郵便局でたずねてみました。
「さあ…?市役所に行って聞いてみたら?」
市役所の受付で聞いてみました。
「さあ…?ちょっと待ってね。誰かに聞いてみてあげるから」
あなたたちだって持ってるのでしょう?と聞きたかったのだけれど、この券は一度買えば永久に使えるので、皆いつ買ったのか分からないくらい昔のことなのかもしれません。
いろいろ聞いてくれて、ようやくお店の名前と住所を教えてもらいました。
「靴屋さんだからね」
行ってみると、大きな靴屋さんです。どう見ても靴しか置いてありません。
「駐車券ありますか?」
「はい、これね。69です。」
69ユーロもするなんて高いなと思いつつ、でも永久に駐車できるのだから8千円もするのも仕方ない事なのでしょう。
「カードでお願いします」
「カードでも良いけれど、こんなに安いのに…?」
「…???」
なんとこの駐車券、69ユーロセントだったのです。つまり80円位という事になります。
「そんなに安いの?だったら2枚ちょうだい」
夫の分も買いました。
こんなやり取りの間、お店の人たちが私の周りに寄ってきて、聞いています。
「車が2台あるなら、2枚買わなくちゃね。」
皆に笑われながら、使い方を教えてもらいました。
自動車を離れる時の時間に合わせてフロントガラスのところに置いておくと、一時間半駐車が出来ます。一人で長い間駐車場を独占してはいけないという事なのでしょう。
「長く駐車したかったら、戻ってきてあわせなおすのよ」とのことです。
ところが良く見ると、駐車券を置いていない車もあります。こんなに小さな町ですから長く駐車しても行くところもないので駐車場はがらがらです。
駐車違反の取り締まりもあまり見た事がありません。皆がこの駐車券のことをあまり気にしないのもわかる気がします。
しばらくして郵便局に行くと、この駐車券が売られていました。
私があちこちで聞いたことがこれから引越してくる人たちのために役立ったのでしょうか。ただお値段は倍になっていましたが。
©2002 Miharu
Shinohara
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