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マリアとアレイデスと買い物に行きました。
今日の行き先はOosterhoutと言う、Bredaの少し北にある街です。
「ビネンホフがとっても良いのよ。」
ビネンホフと言うとハーグのビネンホフを思い出すのですが、これは中庭と言う意味だそうで、あちこちにビネンホフと言う名前があるようです。
今日の目的は、アレイデスの洋服。いとこの結婚25周年パーティがあるので、そのときの洋服を探しているとのこと。25周年は銀婚式、オランダではとても盛大に祝います。アレイデスのいとこは船を借り切って船上パーティだそうです。
昼食後にアレイデスの運転で出発し、約30分。
新しい大きなショッピングセンターに着きました。駐車場に止めたところで、声をかけられました。
「一日券を買ったから、これ使って」
オランダでは駐車する時に、駐車券を買って運転席の前の窓のなかにおいておくことが多いのです。時間が余っているときは必ず誰かに声をかけ、あげて行くのが普通です。お互い様と言うことなのでしょうか。もらう時もあれば、もちろんあげる時もあります。
気分が良くなった3人は、まず始めにコーヒーを飲みました。
オランダ人が一緒の時は、コーヒーを飲んでからでないと何も始まらないのです。
「これは私が払うわね。」
支払いはマリアです。
ダッチアカウントと言ってオランダでは必ず割り勘だと言われていたのですが、私はあまりそういう経験はありません。
靴屋さんを見たり、ブティックを眺めたり、その中の一軒でアレイデスの気に入った洋服が見つかりました。
さてそれからが大変です。同じ生地でジャケット、スカート、タンクトップなど、様々なコーディネイトが出来るようになっています。ジャケットも、スカートもそれぞれ数種類のデザインから選ぶ事が出来るのです。何度も試着して、ご主人のポールに電話をかけ事細かに説明します。もちろん値段も申告しています。
ポールのOKがでたところで、
「少し他を見てくるわね」
と言ってお店を出てしまいました。
「ビネンホフへ行って休憩しましょう。」
そこには新しいショッピングセンターの一角に昔のままの姿で残っている小さな中庭で、すてきなお店が数件とカフェが並んでいます。今度は白ワインで休憩です。
「夕方4時過ぎたらアルコールよ!」
お買い物の途中で、しかも車で来ているのに良いのかしら。
そこでまたアレイデスのスーツの話で盛り上がります。とっても気に入って、絶対に買うに違いないのに、それでもさまざま議論するのです。ひとしきり話し合って、さてようやく買いに行く事になりました。
ざっくりとした生地の鮮やかなオレンジ色のジャケット、同じ生地のミニスカート、それに白の麻のタンクトップを合わせます。
銀髪で身長170センチ、ほっそりとしたアレイデスにはそのスーツが本当に似合っています。
大きな買い物は慎重に…と言うオランダ人を見習わなくてはと思ったお買い物でしたが、もしかして大きな買い物はお酒の勢いで買ってしまうと言う事だったのでしょうか。
©2002
Miharu Shinohara
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