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オランダで何を食べているか…?って言うより私たちは何を食べているかという事なのですが、オランダにもおいしいものはたくさんあります。
私の一番のお気に入りはビーツ、つまり赤カブです。
イギリスにいた時からのお気に入りです。
イギリスでは八百屋さんの店先でほかほかのゆでたてが大きなお鍋に入って売っていました。ビーツはゆでるのに時間がかかるのでゆでた物を売っているのです。ところがオランダでは生のビーツか、ゆでてはあるけれど冷たいビーツしか置いてありません。スーパーのビーツはオランダ風で柔らかすぎるので、私は生のものを買って長い時間かけてゆでています。
このゆでたては、何もつけなくてもそのままでとってもおいしくて、食卓に行く前に私の胃の中に入ってしまう量が多いくらい。
スーパーでは、たまねぎのみじん切りとセットになって売っているのでオランダ人は一緒に食べるのでしょう。
息子のお気に入りは「スタンポット」
マッシュポテトに酢漬けのキャベツとちりめんキャベツを混ぜ、ソーセージや大きな肉団子と一緒にグレービーソースをかけて食べるものです。
ジョセフィーンは子供の頃、マッシュポテトを山にして真中をへこませてそこにソースを流し込み、「アムステルダム」といいながらポテトを崩して「ダム」を決壊させてソースが外に流れ出したところを混ぜながら一生懸命食べたのだそうです。
もうひとつ、クロケットも忘れてはいけません。
10㎝以上の長さのあるソーセージ状のクロケットの中身はホワイトソースと牛肉というのが普通です。オランダ人はこれをパンにのせてつぶしてパン全体にのばして一緒に食べるのです。
もうすぐ80歳になるヘンリエッタはこのクロケットが大好きなのですが、家で揚げるのは面倒なので、外でお昼を食べる時は必ずクロケットを食べるのだそうです。私も家では作らないので外で食べる事にしています。
さて、夫のお気に入りは「大豆プディング」と呼ばれるお豆腐です。
新しく越してきたこの町には中国のお豆腐工場があります。
お店はロッテルダムにあるのですが、この工場でも買う事が出来るので自転車で買いに出かけます。
1700年頃に出来た茅葺屋根の古い家の間を入った奥にある工場には普通のお豆腐が所狭しと並んでいます。
でもお目当てはそのお豆腐ではありません。電話で注文しておくと「大豆プディング」を持ってきておいてくれるのです。
取りに行くのが遅くなったり、彼らが早く帰ってしまう時はお店のドアの前においていってくれるので次に行った時にお金を払います。
プラスチックの樽のような容器に入ったこのお豆腐、とても柔らかいのでスプーンですくって食べるのです。
オランダ人はこのお豆腐に甘い蜜をかけて食べるのだそうです。デザートの感覚なのでしょうか。
オランダでお豆腐?と思うけれど、今一番のお気に入りです。
©2002
Miharu Shinohara
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