お針子日記
19/4/2002
小さなカフェカーテンが出てきました。
ずーっと前に作ったのですが
引越しを繰り返して、
サイズが合う窓がなくなってしまったのです。
今度の家はたくさんの窓があり
引越し荷物がおさまったところで
ふっと思い立ってカフェカーテンを出してみました。
そのために作ったかのように
まるでその窓ちょうど良いサイズです。
さっそくさげてみようと思ったのですが
その前に、少しステッチを足してみたくなりました。
すその部分に少しだけしかなかった刺繍部分を
もう少し増やしてみたくなったのです。
ほんの少し刺すだけで
また違った雰囲気になるに違いありません。
ちょっと楽しみなカーテンです。
9/4/2002
クロスステッチはデンマーク、と思っていたのですが
実はオランダのほうが歴史が古いのだそうです。
その昔、オランダの北のほうからデンマークへ
農民が農業指導のために移住しました。
農民たちはオランダの生活をそのまま持って行きました。
その時、農業と一緒に伝えられたのが
オランダの手芸だったそう。
デンマークのPERMINから
オランダのマルケン島の古いサンプラーが
チャートになって売られています。
「クロスステッチはデンマークよりオランダよ!!」
手芸やのおばちゃんが胸を張るはずです。
2/4/2002
手芸の展示会があるというのでさっそく行ってみました。
半分は織物、いろいろな国の織物が並んでいます。
カラフルな色を使ったものから
白一色で織ったショールもあり、どれもとてもすてきでした。
刺繍のコーナーはやはりクロスステッチが、
特にサンプラーの古いものがたくさん展示してあり
あまりの細かさにため息が出てしまいます。
ホワイトワークと言われる白い刺繍もあり、
何度まわっても飽きることなく楽しめます。
ニードルポイントのコーナーもあったのですが
ここの作品は…ほとんど未完成。
と言うよりキットをそのまま展示しているものが多く
出来上がりの豪華さがありません。
「Appleton の糸はどこで買えるの?」
という質問に「ここで買えるわ」という答え。
でもこの展示会が終わったらどうしたら良いの?
22/3/2002
本屋さんが大好きです。
もちろん図書館も大好きで、日本では
「我が家の本棚」のようにさまざまな本を借りていました。
刺繍の本、編物の本、洋裁の本…。
ランダでもやっぱり本屋さんと図書館が大好きです。
手芸の本は言葉が分からなくても
写真や図解がしてあるので充分楽しめます。
最近は刺繍の本を探す事が多いのですが
オランダのレースの本や
織物の本、人形作り、編物の本も楽しみです。
同じ本を何度眺めても飽きる事がないので
本の数が少ない図書館でも何度でも通います。
いつも時間を忘れてしまうのが困りもの。
1日が24時間なんて誰が決めたのかしら。
私だけ特別に36時間にならないものかしら。
17/3/2002
刺しかけのものって
一体どれくらいあるのかしら。
部屋のあちこちのかごの中に
さまざまな刺しかけのもの達があります。
小さなものはすぐに仕上げてしまう事が多いけれど
大きいものはなかなか進みません。
これを仕上げてから…といつも思うのですが
手を動かしながら「次は何しよう」と考えると、
どうしても始めたくなってしまうのです。
思いついたときが始める時。
自分に言い訳をしながら新しい布を切り始めます。
でも、しばらく別のものを刺して
ふっと思い立ち、刺しかけのものを手にしたとき
それまでと全く違ったものに変わっていくのです。
もしかしたらこの休憩が
私の作品たちのスパイスなのかもしれません。
13/3/2002
クロスステッチは苦手だってずーっと思っていました。
いくつかのクロスステッチを刺して
仕上がったものは全て箱の中。
刺し間違えたり、数え間違えたり
あまりにも苦労して、出来上がったものは
大事に大事にしまいこんでしまったのです。
久しぶりに箱を開けてみて
その優しい色あいに驚きました。
長い事しまわれていたにもかかわらず、
そのどれもがとても新鮮に感じられます。
一つ一つを手にとってみて
そのデザインを選んだ頃の事を思い出しました。
箱を開けてみるきっかけは友達からのプレゼント。
小さな「あかまんま」のデザインです。
こんな風に人の気持ちを優しくする
プレゼントが出来たら良いなあといつも思います。
7/3/2002
柔らかいピンクは
日本の春を思い出します。
少し霞んだ優しい色あいが、暖かな春を
運んできてくれるような。
オランダの春は黄色かしら。
黄、白、紫のクロッカスに続いて
黄色い水仙があたり一面に咲き始め
陽気に跳ねているように。
ぼんやりとして頼りないピンクの春も
はっきりしてきりっとした黄色の春も
どちらも捨てがたい春には違いありません。
26/2/2002
「アムステルダムブルー」という名前に惹かれて
麻の生地を手に入れました。
「デルフトブルー」の藍とも違う
少しくすんだ落着いたブルーです。
アムステルダムの空の色かしら?
別名「アンティークブルー」とも言うこの色
DMCの「アンティークブルー」と合わせて
レースのようなドイリーを作ったらどうかしら?
それともあまり糸を抜かずに
生地の色を生かそうかしら?
いろいろ試行錯誤の最初の一歩が
とっても楽しいひとときです。
17/2/2002
えーっ、これ同じ色なの?
段染めの糸を買いに行った時のことです。
同じ色のはずなのに、全く違う雰囲気の糸。
CARONの糸は手染めなので
特に毎回色が変わります。
ほとんど同系色の濃淡だけのような時と
全く違う系統の色が入っている時、
ここまで違うと同じ名前がつけられている事が
おかしいのではないかと思うくらい。
たくさん使いそうな時は余分に買っておかないと
イメージが全く違ったものが出来上がります。
もしかしたら新しい発見があって
それがまた魅力なのかもしれません。
7/2/2002
刺繍糸やAppletonの糸にはみんな
名前がついているというのを知って以来
色を選ぶ時、どうしても名前で選びたくなってしまいます。
同じピンクでも、シェルピンク、テラコッタ…
名前で呼んでみると、
とってもぴったりするのが不思議です。
同じように日本の名前も大好きです。
灰桜、鳩羽紫、蘇芳色…
どちらも名前を見るだけでそのイメージが浮かんできて
優しい気分になります。
せっかくのきれいな色、
番号で呼んでは申し訳ない気がするのです。
28/1/2002
イギリスで買ったライトゴールドの
ハーダンガーファブリックがでてきました。
あまり見かけない色なので
大事にしすぎて(?)なかなか手をつけられません。
暗くて寒いオランダの冬には
この金色はちょうど良いかも
春の日差しがきらきらするころまでに
出来上がるでしょうか?
それとも葉が金色に色づく
秋をイメージして作り始めようかしら。
20/1/2002
オランダのヒンデローペンと言うペイントを習いました。
オランダの北にある同じ名前の町が発祥の地です。
絵筆を持つのは何十年ぶり?ですが
針を絵筆に持ち替えて1年半。
一通りのパターンを教えていただいて
後は自由に組み合わせれば良いとのこと。
自由に、好き勝手には、お得意分野です。
小さな白木の額を見つけ小さなパターンを並べました。
額をみていたら中に小さなハーダンガーが欲しくなり
さっそく額用に一つ。
額の色とアイボリーのハーダンガー
どちらも引き立ってすっかりお気に入りです。
19/1/2002
久しぶりに近くの手芸やさんに行ってきました。
最近タイからの刺繍糸が話題になっているそうです。
オランダはDMC,Anchorが多いのですが
このタイからの新しいメーカーの糸が
売れ始めているとの事です。
Venus と言うこのメーカー
品質は、アンカーやDMC と全く変わらず
値段が半分だというのです。
もちろんお湯で洗っても大丈夫!との事。
「でもそれ、25番だけよね。」
ハーダンガーには25番は使いません。
ところが5番、8番も
売り出す予定だそうです。
もちろん日本ではすでに話題なのでしょう。
13/1/2002
何気なくつけたテレビで
イギリスの「リバティ」「ローラアシュレイ」の
デザインの話になり、興味深く見てしまいました。
その原点は東洋、特に日本だというのです。
そうして、今でも日本のものがすばらしいと
思っている人たちがいて、
それがあちこちに生かされてるそうです。
考えて見ればオランダのデルフト、マッカムなども
その昔、オランダ商人が持ち帰ったものを
真似して作られたとの事。
ハーダンガーだってもとは「アジアの手仕事」
とも言われています。
何気なく過ごしていた日本での生活ですが
今度帰ったらもっともっと
日本のことを知りたいと思いました。
10/1/2002
カラフルなドイリーと
シンプルなテーブルセンターとあわせて
かわいいセットが出来上がりました。
一つ一つの色は同じではないけれど
トーンが同じなのでなんだかすっきりと
組み合わせる事が出来ました。
優しい色あいのものは
どんなに色を重ねても
やっぱり優しく仕上がるので不思議です。
こんなふうにあわせて
プレゼントするのが大好きです。
ただ、このところ色のあるものばかりを刺していたので
いまはとっても白に戻りたい・・・
やっぱりハーダンガーの原点は白なのでしょう。
5/1/2002
年末に作った小さなセンターと
同じ糸を使ってドイリーを作ってみようと思い立ち、
今度はサテンステッチを段染め糸に
お正月らしくすこし華やかなドイリーを
完成させ、満足しています。
年末のお掃除やお料理の合間を縫って
針を動かしました。
かがりの部分で何度かほどきながら
ようやくイメージどおりのものが出来上がりました。
こんなに小さなものは
思い立ったらすぐに始めます。
そうして一気に仕上げないと、
一度手を離してしまうと、
また長いことお大事箱にいるに違いありません。
2002年の第一号、とにかく完成です。
©2002
Miharu Shinohara
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